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2026.1.23

「働く」ことの本質とは?自分に合った働き方を選ぼう

「働くって、結局なんだろう?」就職活動を前に、そうした疑問を持つ人もいるかもしれません。正社員や派遣社員、フリーランスなど働き方の選択肢が広がる中で、何を基準に選ぶべきか迷う場面もあるでしょう。

この記事では、働くことの本質から代表的な雇用形態の違い、そして今注目すべき「自己投資」の考え方まで、大学生のみなさんに向けてわかりやすく解説します。将来の働き方を考えるヒントが、きっと見つかるはずです。

「働く」とは自分の能力を労働市場に提供すること

「働く」ことは一般的に、スキルや時間を提供し、その対価として報酬を得る行為を指します。みなさんがアルバイトをしているなら、すでにこの仕組みを経験しています。コンビニのレジ打ちや飲食店の接客など、自分の労働力を提供して時給という報酬をもらっているはずです。

この「働く」という行為は、労働市場(ろうどうしじょう)という場で成り立っています。労働市場とは、仕事を求める人と、人材を求める企業が出会う「マッチング」の場です。商品の売買と同じように、労働力にも「需要と供給」の関係があるのです。

たとえば、高度なIT人材のように求める企業が多い(需要が高い)スキルを持っていれば、条件の良い仕事を見つけやすくなるでしょう。学生のみなさんも、自分のスキルや能力をどこで活かすかを考え始めているのではないでしょうか。

得られる報酬は他者(社)貢献の対価

給与や報酬は、あなたが「誰かの困りごとを解決した」「誰かの役に立った」ことへの対価として受け取るものです。働いて対価を得るとは、簡単にいうと「世の中に対して価値を提供すること」です。

たとえば、カフェの店員さんは「おいしいコーヒーを飲みたい」「カフェでゆっくり過ごしたい」というお客さんのニーズに応えています。プログラマーは「業務を効率化したい」という企業の課題を解決しています。このように、誰かの「こうしてほしい」に応えることで、報酬が発生するのです。

一般的には、より多くの人の役に立てたり、より大きな課題を解決できたりすると、報酬も大きくなる傾向があります。能力を高めて提供できる価値を高めていくほど、収入は増加し、より高い収入を得る機会も広がるでしょう。

大切なのは、「やりがい」と「報酬」のバランスを自分なりに考えることです。どちらを重視するかは人それぞれで、正解はありません。就職活動を始める前に、自分が何を大切にしたいのか考えてみてください。

代表的な働き方

働き方には、さまざまな選択肢があります。大学を卒業して就職するとなると「正社員」をイメージする人が多いかもしれませんが、働き方はそれだけではありません。

自分のライフスタイルや将来の目標に合った働き方を選ぶために、まずは代表的な雇用形態を理解しておきましょう。

正社員

正社員とは、企業と期間の定めのない雇用契約(無期雇用契約)を結んで働く人のことです。もっとも大きな特徴は、雇用が安定していること。定年まで働き続けられる可能性が高く、長期的なキャリア形成がしやすい働き方といえます。

給与は月給制が一般的で、賞与(ボーナス)や退職金、各種手当といった福利厚生も充実しているケースが一般的です。また、昇給や昇進の機会もあり、経験を積むほど収入アップが期待できます。

一方で、業務の責任範囲が広く、残業や転勤を求められる場合もあります。配属先や勤務地を会社が決めるため、自分の希望どおりにならないケースもあるでしょう。安定を得る代わりに、ある程度の柔軟性が求められる働き方です。

契約社員

契約社員とは、労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている働き方です。正社員との大きな違いはこの「期間の定め」にあり、1回あたりの契約期間の上限は原則3年とされています。

契約社員のメリットは、勤務先を柔軟に変えられる点と、専門スキルを活かしやすい点です。特定のプロジェクトや業務に集中できるため、自分の得意分野で力を発揮したい人に向いています。

ただし、契約期間が満了すると雇用が終了する可能性があり、正社員に比べて安定性は低くなります。なお、2013年の労働契約法改正により、契約更新が通算5年を超えた場合、労働者から無期雇用契約への転換を申し出る権利が認められました。

パート・アルバイト

パートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定義されています。パートやアルバイトという呼び方に法律上の違いはなく、どちらも同じ「パートタイム労働者」として扱われます。

最大のメリットは、働く時間を自分で調整しやすいこと。学業との両立を目指す大学生や、家庭の事情で長時間働けない人にとって、柔軟な働き方ができる点は魅力です。求人数も多く、未経験から始められる仕事も豊富にあります。

また、2024年10月からは従業員数51人以上の企業で働く短時間労働者にも社会保険の適用が拡大され、将来の年金が増えるなどのメリットを受けられるようになりました。「アルバイトだから保障がない」という時代ではなくなってきています。

派遣社員

派遣社員とは、「人材派遣会社に登録し、仕事の紹介を受け、企業に派遣されて就業する雇用形態」です。実際に働く場所は派遣先企業ですが、雇用契約を結ぶのは派遣元の人材派遣会社という点が特徴です。

派遣社員のメリットは、さまざまな職場を経験できることでしょう。契約ごとに違う企業で働けるため、幅広い業界や職種を知ることができます。また、業務内容が契約で明確に決まっているため、想定外の仕事を任されにくいのも特徴です。

一方で、同じ派遣先の同じ部署では原則3年までしか働けない「3年ルール」があります。ただし、派遣社員が同部署で3年以上働く場合は、企業側に直接雇用の義務が生じます。長く同じ職場で働きたい場合は、直接雇用への切り替えも視野に入れておくとよいでしょう。

自営業・フリーランス

自営業とは、会社に属さずに自ら独立して事業を営む人のことです。個人事業主やフリーランスだけでなく、自ら会社を立ち上げて事業を行っている会社経営者なども自営業者に含まれます。

フリーランスは、特定の企業に雇用されず、案件ごとに仕事を請け負う働き方を指します。働く時間や場所を自分で決められる自由度の高さが最大の魅力です。スキル次第では、会社員より収入が上がる可能性もあります。

ただし、仕事は自分で獲得する必要があり、収入が安定しないリスクもあります。会社員のように決まった給料を受け取れるわけではないので、独立したら会社員時代よりも収入が減ったということもあります。また、ケガや病気をした場合に補償がないデメリットもあります。自己管理能力と営業力が求められる働き方といえるでしょう。

金融投資だけでなく自己投資にも意識を向けよう

近年、NISAが拡充された影響もあり、金融投資に関する情報があふれています。若い世代の投資への関心が高まっているのは良いことですが、投資をするための原資(元手となるお金)は、基本的に「働いて稼ぐ」必要があります。

ここで意識してほしいのが「自己投資」です。自己投資とは、スキルアップのための勉強や資格取得、健康維持のための運動など、自分の価値を高めるためにお金や時間を使うことです。自己投資を通じて知識やスキルを習得し、より大きな付加価値を社会に生み出せれば、受け取れる報酬は増えます。

金融投資は、すでにあるお金を増やす手段です。一方、自己投資は「稼ぐ力」そのものを高める手段です。早い段階で自己投資に取り組むほど、効果を得やすいでしょう。

大学生のうちは、金融投資に回せるお金が限られている人も多いでしょう。だからこそ、今は自分のスキルや知識を磨く自己投資に目を向けてみてください。読書や資格の勉強、インターンシップへの参加など、小さなことから始めても構いません。将来、稼ぐ力を高めておけば、金融投資に回せる原資も自然と増えていくはずです。

まとめ

給与や報酬は「貢献の対価」として支払われるものです。労働力にも需給関係があることをお伝えしたように、提供できる付加価値を高めていくほど、収入アップのチャンスも広がっていきます。

働き方には、正社員、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員、自営業・フリーランスなど、さまざまな選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルや将来の目標に合わせて選ぶことが大切です。

また、金融投資への関心が高まる今だからこそ、自己投資の重要性も忘れないでください。稼ぐ力を高めることが、将来の資産形成の土台になる点を押さえておきましょう。

柴田 充輝
執筆者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。