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投資を試す前に。まず決めておきたい3つのこと

  • 不安な人は、いきなり始めず「試す」入り方もある
  • 試すなら「目的・期間・毎月の金額」の3つをざっくり決めておくといい
  • 小さく準備しておくと、同じ体験でも見え方がだいぶ変わる

前回の話で、値動きの仕組みがちょっと分かってきた気がします。

おお、それはよかった。じゃあ次はどうしようか?

興味はあるんですけど、いきなり始めるのはちょっと怖くて…自分にできるかも、まだ分からなくて。

うん、その気持ちは自然だよ。それなら、お金を使わずに試せる方法から入るのもありだね。

え、そんな方法あるんですか?

あるよ。ただ、その前に少しだけ考えておくといいことがあって。3分くらいでいいから。

何ですか?

『なんのために試すのか』を、ざっくり決めておくこと。これがあるかないかで、得られるものがけっこう変わってくるんだ。

いきなり始めるのが不安な人にとって、「まず試してみる」というのは一つの選択肢です。でも、なんとなく試すと、なんとなく終わってしまうことも多いもの。せっかく試すなら、ちょっとだけ準備しておくと、得られるものが深まります。今回は、その準備の仕方を3つに絞って紹介します。

なんとなく試すと、なんとなく終わる

何かを試すとき、「何のためにやっているか」がぼんやりしていると、だんだん続かなくなります。

ダイエットに似ているかもしれません。「痩せたい」だけで始めると三日坊主になりやすいけど、「夏までに3キロ」みたいに具体的だと続きやすい。ゴールがハッキリしているかどうかで、続けやすさはけっこう変わります。

投資の練習でも同じです。お金を使わず値動きを見られるアプリを入れても、目的がないと、数字がただの数字に見えてきます。最初は面白くても、「で、これ何のためにやってるんだっけ?」となりがちです。

逆に、ちょっとした目的があるだけで、同じ画面が「自分のための情報」に変わります。

目的がないと、試しても続きにくい

試す前に決めるのは3つだけ

「準備」と言っても、難しいことはありません。次の3つを、ざっくりでいいので決めておくだけ。

①目的:何を知りたいか

一番大事なのがここ。目的によって、見るべきポイントが変わってきます。例を挙げるとこんな感じ。

  • ・仕組みを知りたい:値段がどう動くか、自分の目で見て確かめたい
  • ・経済の流れに触れたい:気になる会社の株価を通じて、ニュースと現実を結びつけたい
  • ・自分の性格を知りたい:値下がりしたとき、自分はどれくらい動揺するのかを知りたい
  • ・将来の不安を減らしたい:お金を増やす選択肢が自分に合うか、感触をつかみたい

複数選んでもいいですが、難しければ最初はどれか一つに絞っても構いません。自分なりの目的があれば、どこを見ればいいかが分かりやすくなります。

②期間:どれくらい試すか

目安としては、まずは1ヶ月くらい続けてみましょう。短すぎると値動きの幅を体感しきれず、長すぎると途中で飽きやすくなるためです。

もっと続けたい人は、3ヶ月くらいに延ばしてみるのもアリです。そのくらいの期間があると、ニュースで見た出来事と値動きが「あ、つながってる」と感じる瞬間が出てきます。

「1ヶ月試してみて、続けたくなったら延長」くらいの感覚で大丈夫です。大学生なら、学期のリズムと重ねてイメージするのが一番やりやすいかもしれません。「前期が始まる4月から1ヶ月」「夏休みの最初の1ヶ月」など、生活の区切りに合わせると続けやすくなります。毎日チェックしなくても大丈夫なので、テスト期間中は放置してもOKくらいの気軽さで考えてみてください。

③金額:いくらの設定で試すか

仮想のお金だと「100万円でスタート!」みたいに大きな額で始めがちです。夢がありますが、現実にありえる金額で設定するのがおすすめです。

たとえば月3,000円を積み立てる設定で試してみる。「思ったより増えないな」とか「下がったときのダメージ、これくらいなんだ」というのが、実感としてわかります。

大学生なら、「バイト1回分の稼ぎ」や「外食を1回我慢した分」くらいのリアルな金額をイメージしながら設定してみるといいかもしれません。仮想のお金でも、リアルな金額で設定するだけで、体験の解像度がぐっと上がります。

目的・期間・金額を、小さくていいからざっくり決める

準備があると、見えるものが変わる

ここまで読んで「3つ決めるだけで変わるの?」と思ったかもしれません。でも、この準備があるかないかで、同じ画面を見ても、感じ方がだいぶ変わります。

準備なしだと、画面の数字は「ただの数字」のままです。「上がった、下がった、ふーん」といった感じで終わってしまいます。

準備があると、同じ数字が「自分ごと」になります。

たとえば「自分の性格を知りたい」と決めておいた人は、値段が下がった日に、自分の気持ちをメモしてみる。「意外と平気だった」「思ったよりソワソワした」など、正直に言語化してみましょう。これらの実体験は、本当に始めるかどうかを決めるときのヒントになります。

「将来の不安を減らしたい」と決めた人なら、月3,000円で1ヶ月続けたあとに「これくらいの増え方なんだ」と実感できます。ネットで見かける「投資で資産10倍」みたいな話と、現実の感覚を切り分けられるようになります。

期間を区切っておくのも効いてきます。「1ヶ月たったら振り返る」と決めておくと、終わりが見えているぶん続けやすいし、振り返りのときに「もう少し続けたい」「自分には合わなかった」と、次のことも決めやすくなります。

こうした気づきは、実際に少し触れてみるとよりはっきり見えてきます。以前紹介したように、お金を使わずに値動きを体験できるアプリを使ってみると、自分の感じ方や考え方が少しずつ見えてきます。

たとえば「株たす」のようなサービスもあります。気になる人は、そうしたものから試してみてもいいかもしれません。

準備があると、数字が「自分ごとの体験」に変わる

まとめ

投資は、いきなり始めるかどうかだけの話ではありません。
少し準備してから見るだけでも、同じ体験の中で得られるものは変わってきます。

「こういう見方もあるんだな」と思えたら、それだけで十分な一歩です。

  • 投資は「始めるかどうか」だけで考えなくていい
  • 少し準備するだけで、同じ体験の見え方が変わる
  • まずは「どう見るか」を持つことから始めればOK

柴田 充輝
編集者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。