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株価を見ると企業が見えてくる?意識したい3つの視点

前回は、株価の値動きを体験できるアプリの話をしました。 

実際にアプリを始めると、つい株価が上がるか下がるかばかり気になってしまうかもしれません。でも、せっかくなら値動きを眺めるだけではもったいないものです。

今回は、シミュレーション中に意識したい3つの視点を紹介します。これらを意識することで、投資の練習が「企業や経済を知る入り口」へと変わっていきます。

  • シミュレーションは「学びのツール」と捉えるのがおすすめ
  • 「なぜ積立投資はリスクを抑えられるのか」が感覚的にわかる
  • 株価が企業や経済への興味につながると、将来の就活でも効いてくる

アプリとかで株価を見られるのは分かったんですけど、結局どこを見ればいいんですか?ちょっと難しそうな気がしますが…

いいね。じゃあ最後にもう一つだけ。練習中に『どこを見るか』を決めておこうか。

どこを見るか段じゃないんですか?

値段は当然見るんだけど、それだけだと『上がったが下がったのかのゲーム』になっちゃうんだよね。せっかくなら、もう少し深く見てみよう。

深く、ですか?

うん。今日は『シミュレーションで見るべき3つ』の話をするね。

シミュレーションアプリは、ただの「お金を増やすゲーム」ではありません。見方を変えれば、世の中の動きを知るための練習ツールにもなります。

特に大学生のうちは、ニュースで経済の話を聞いても「ピンとこない」ことが多いはず。でも、自分が触った株が動くと、その背景にちょっと興味が湧いてくる。この「気づき」や「気になる」という感情を大切にしましょう。

ここでは、見るべき3つの軸を順番に紹介していきます。

値動きの「理由」を見る

最初は、値動きそのものよりも「なぜ動いたか」を見るクセをつけてみましょう。

たとえば、ある会社の株価が今日いきなり5%上がったとします。ここで「ラッキー」で終わらせず、ニュースを少し検索してみる。すると「新製品を発表した」「業績(売上や利益のこと)が予想より良かった」「業界全体が好調」みたいな理由が見つかることが多いんです。

毎回完璧に調べる必要はありません。気になった日だけでOK。これを続けていると、「会社は新製品を出すと、株価が上がりやすいんだな」「業界のニュースで全体が動くこともあるんだ」みたいに、自分なりの発見が出てきます。

この視点は、将来の企業研究や業界研究の場面でも、視野を広げるひとつのきっかけになることがあります。仮想の数字を追いかける中で、社会の仕組みが少しでも身近に感じられるようになるのが、この練習の面白いところです。

値動きの「理由」を追うと、企業への解像度が上がる

分散の感覚をつかむ

2つ目は、いくつかの場所に分けて持ってみる、という視点です。言葉としては「分散」と言いますが、まずは理屈抜きでその感覚をのぞいてみましょう。

1社だけに集中させてみる

試しに、好きな会社1社だけに全額を入れてみる。すると、その会社の良いニュースが出た日は喜び、悪いニュースが出た日はがっくり、という日々が始まります。値動きが、ぜんぶ自分の気分や生活に直結する感じです。

複数社に分けてみる

今度は、業界の違う数社に分けて持ってみる。たとえば食品会社、IT会社、自動車会社、みたいに。すると、A社が下がってもB社が上がっていたり、全体としての動きがマイルドになります。「一つに賭けない」「全体で上がってればオッケー」のような感覚が、肌で分かります。

これが「分散」の基本です。本やニュースで読むと「リスクを抑えるため」みたいに書いてあって、ピンとこないかもしれません。でも、自分のお金(仮想でも)で試してみると、「ああ、こういうことか」と腑に落ちます。

ちなみに、業界の組み合わせ方を考えるのも有意義な学びです。「景気が悪くなったとき、どの業界が踏ん張りそう?」「その理由は?」みたいに考えていくと、経済全体の構造もぼんやり見えてきます。

分散は理屈じゃなくて、感覚で覚えるのが早い

積立投資の効果を体験する

3つ目は「積立」。一括でドカンと買うのではなく、毎月コツコツ少しずつ買っていく方法です。

シミュレーションでぜひ試してほしいのが、「同じ銘柄(=買う対象の会社のこと)を、毎月一定額ずつ買い続ける」設定。すると、面白いことが見えてきます。

株価が高いときは少ない株数しか買えず、安いときはたくさん買える。これを続けると、平均の購入価格が自然に「ならされて」いきます。一括だと「高値でぜんぶ買っちゃった…」みたいな後悔が起きるけど、積立だとそれが起きにくいわけです。

ただ、これは「短期間で儲かる方法」ではないことも体感できます。値動きが緩やかなぶん、増え方もゆっくり。短期で見ると「あんまり変わらないな」と感じるはずです。

でも、長期で見ると話が違ってきます。シミュレーションを2〜3ヶ月続けると、じわじわ積み上がっている感覚が分かるようになります「時間を味方につける」という実感を得られたら、大きな収穫です。

積立投資は「ゆっくりと資産を増やす」を体験する練習でもある

まとめ

シミュレーションは、値段の上下を当てるゲームではありません。シミュレーションを触る中で、値動きの理由や、分散の感覚、積立のスピード感をそれぞれ意識してみましょう。それらを通じて、少しずつ世の中の仕組みが見えてくるようになります。

特に「値動きの理由」を追うクセは、就活の企業理解にもそのままつながります(2~3年後に、きっと役立ちます!)。気になる業界のニュースが、自分のお金(仮想でも)と結びつくと、解像度がまるで違ってきますよ。

完璧に分析する必要はありません。気になったときに、ちょっと調べる。それを繰り返すだけで、ニュースの見え方が変わってきます。

  • 値動きの「理由」を追うと、企業への興味が湧くだけでなく、学びになる
  • 分散は、複数社に分けてみると感覚でわかる
  • 積立は、ゆっくりさを体験する練習

柴田 充輝
編集者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。