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2026.1.9

現役大学生のための金融リテラシー入門。人生で役立つお金の教養とは②

金融リテラシーは、早く身につけるほど有利です。社会人になってから慌てて学ぶより、時間に余裕のある大学生のうちに基礎を固めておけば、お金を増やしたり守ったりする知識を深められ、将来の選択肢を広げられます。

前回は、金融リテラシーの基礎知識について解説しました。今回は実践編として、特別な知識がなくても今日から始められる5つの方法を紹介します。まずは小さな一歩から踏み出して、着実にお金に関する教養を身につけていきましょう。

金融リテラシーを高める5つの方法

金融リテラシーは一朝一夕で身につくものではありません。しかし、正しい方法を知って実践すれば、確実にレベルアップできます。

ここでは、大学生でもすぐに始められる5つの実践的な方法を紹介します。どれも特別な知識は必要ありません。まずは1つずつ、できることから始めてみましょう。

1. 現状把握をする

金融リテラシーを高める第一歩は、自分の現在のお金の状況を正確に把握することです。毎月の収入と支出を記録して、黒字を維持できているか確認しましょう。

収支を記録する際は、固定費(家賃、スマホ代など)と変動費(食費、交際費など)に分けて整理すると、無駄な支出を見つけやすくなります。

また、現在の資産状況も整理してみましょう。預金残高からクレジットカードの決済分を引いた「純資産」がマイナスにならないよう注意が必要です。純資産がプラスであれば、将来に向けた資産形成の土台ができているといえます。

2. リスク許容度を把握する

リスク許容度とは、投資で損失が出たときに「どれくらいまでなら耐えられるか」を示す目安です。ここでいう「耐えられる」には、精神的な面と経済的な面の両方が含まれます。

たとえば、10万円を投資して1万円(10%)の損失が出たとしましょう。「まあそういうこともあるよね」と冷静でいられる人もいれば、ストレスや不安から夜も眠れなくなる人もいます。前者はリスク許容度が高く、後者は低いといえます。

リスク許容度は、年齢・収入・資産・家族構成・性格などによって人それぞれ異なりますが、20代の大学生は一般的にリスク許容度が高いとされています。働ける期間が長く、仮に損失が出ても取り戻すチャンスが多いからです。

自分のリスク許容度を理解しておかないと、投資で大きな損失が出たときにパニックになりかねません。その結果、不利なタイミングで売却して損失を確定させてしまうことも。投資を始める前に、「自分はどれくらいの損失なら冷静でいられるか」を考えておきましょう。

3. 少額から投資を実践してみる

投資というと大きな金額が必要だと思われがちですが、100円から始められる投資サービスがあります。

また、現金ではなくポイントを使った「ポイント投資」も選択肢のひとつです。現金を使わないため心理的なハードルが低く、投資の仕組みを学ぶのに適しています。

4. ニュースを「自分事」として読む

経済ニュースを読むときは、それが自分の生活にどう影響するかを考える習慣をつけましょう。たとえば、円安のニュースを見たら「海外旅行が高くなるな」「輸入品の値段が上がりそうだな」とイメージしてみてください。

政治の動きも経済に大きな影響を与えます。選挙の結果によって株価が変動したり、新しい政策によって税金が変わったりすることもあります。

身近な商品の値段から経済を理解するのもよい方法です。コンビニのおにぎりが値上がりした理由を調べてみると、原材料費の高騰や人件費の上昇など、経済の仕組みが見えてきます。

5. 疑問点は自分で調べる

金融に関する疑問が生まれたら、まず自分で調べる習慣をつけましょう。信頼できる情報源として、金融庁や消費者庁などの公的機関のウェブサイトがおすすめです。これらは一次情報として最も信頼性が高いといえます。

YouTubeには視覚的に学べる金融教育チャンネルもあります。ただし、YouTubeやSNSの情報は玉石混交です。発信者の経歴や根拠となるデータが示されているか、必ず確認するようにしましょう。

自分で調べる習慣を身につければ、徐々に金融リテラシーが高まっていきます。わからないことをそのままにせず、ひとつずつ解決していくことで、お金に関する知識と判断力が着実に向上していくでしょう。

知識と経験の両方を積むことが大切

金融リテラシーを高めるには、知識を学ぶだけでなく、実際に経験を積むことが重要です。本で読んだ知識と実体験では、身につく深さがまったく違います。

知識が必要な理由

大切な資産を守るために、知識は欠かせません。たとえば、株式投資の平均的な期待リターンは、一般的に5~7%程度(世界株式に分散投資した場合)。このような基本的な知識があれば、「元本保証で利回り10%!」「誰でも簡単に儲かる!」のような怪しい投資話や詐欺から身を守ることもできます。

また、税金や社会保険の知識があれば、確定申告で還付金を受け取ったり、将来もらえる年金額を増やしたりすることも可能です。知識は、お金を守りつつ、将来のために増やすための武器になるのです。

経験が必要な理由

どんなに知識を詰め込んでも、実際に経験しないとわからないことがたくさんあります。投資の教科書には「長期投資が大切」と書いてありますが、実際に株価が20%下落したときの心理的なプレッシャーは、経験してみないとわかりません。知識を得たうえで経験をすることで、「そういうことだったのか!」と腹落ちすることもあるでしょう(勉強と似ているかもしれませんね)。

小さな失敗を重ねることも、成長には欠かせません。少額投資で損をしたり、家計簿をつけ忘れたりする経験を通じて、自分に合った方法を見つけることができます。

大学生のうちに小さな経験を積んでおけば、社会人になってから大きな判断をする際に役立ちます。失敗を恐れず、まずは一歩踏み出してみることが大切です。

まとめ

金融リテラシーは、知識と経験の両方を積み重ねることで身についていきます。まずは自分の収支を把握し、リスク許容度を理解することから始めましょう。100円からの少額投資やポイント投資で実践経験を積み、経済ニュースを自分事として捉える習慣をつけることが大切です。

わからないことは信頼できる情報源で調べ、ひとつずつ解決していきましょう。大学生のうちに小さな経験を積んでおけば、社会人になってからのお金の判断にきっと役立つはずです。

柴田 充輝
執筆者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。