金融リテラシーは、早く身につけるほど有利です。社会人になってから慌てて学ぶより、時間に余裕のある大学生のうちに基礎を固めておけば、お金を増やしたり守ったりする知識を深められ、将来の選択肢を広げられます。
前回は、金融リテラシーの基礎知識について解説しました。今回は実践編として、特別な知識がなくても今日から始められる5つの方法を紹介します。まずは小さな一歩から踏み出して、着実にお金に関する教養を身につけていきましょう。
金融リテラシーを高める5つの方法
金融リテラシーは一朝一夕で身につくものではありません。しかし、正しい方法を知って実践すれば、確実にレベルアップできます。
ここでは、大学生でもすぐに始められる5つの実践的な方法を紹介します。どれも特別な知識は必要ありません。まずは1つずつ、できることから始めてみましょう。
1. 現状把握をする
金融リテラシーを高める第一歩は、自分の現在のお金の状況を正確に把握することです。毎月の収入と支出を記録して、黒字を維持できているか確認しましょう。
収支を記録する際は、固定費(家賃、スマホ代など)と変動費(食費、交際費など)に分けて整理すると、無駄な支出を見つけやすくなります。
また、現在の資産状況も整理してみましょう。預金残高からクレジットカードの決済分を引いた「純資産」がマイナスにならないよう注意が必要です。純資産がプラスであれば、将来に向けた資産形成の土台ができているといえます。
2. リスク許容度を把握する
リスク許容度とは、投資で損失が出たときに「どれくらいまでなら耐えられるか」を示す目安です。ここでいう「耐えられる」には、精神的な面と経済的な面の両方が含まれます。
たとえば、10万円を投資して1万円(10%)の損失が出たとしましょう。「まあそういうこともあるよね」と冷静でいられる人もいれば、ストレスや不安から夜も眠れなくなる人もいます。前者はリスク許容度が高く、後者は低いといえます。
リスク許容度は、年齢・収入・資産・家族構成・性格などによって人それぞれ異なりますが、20代の大学生は一般的にリスク許容度が高いとされています。働ける期間が長く、仮に損失が出ても取り戻すチャンスが多いからです。
自分のリスク許容度を理解しておかないと、投資で大きな損失が出たときにパニックになりかねません。その結果、不利なタイミングで売却して損失を確定させてしまうことも。投資を始める前に、「自分はどれくらいの損失なら冷静でいられるか」を考えておきましょう。
3. 少額から投資を実践してみる
投資というと大きな金額が必要だと思われがちですが、100円から始められる投資サービスがあります。
また、現金ではなくポイントを使った「ポイント投資」も選択肢のひとつです。現金を使わないため心理的なハードルが低く、投資の仕組みを学ぶのに適しています。
4. ニュースを「自分事」として読む
経済ニュースを読むときは、それが自分の生活にどう影響するかを考える習慣をつけましょう。たとえば、円安のニュースを見たら「海外旅行が高くなるな」「輸入品の値段が上がりそうだな」とイメージしてみてください。
政治の動きも経済に大きな影響を与えます。選挙の結果によって株価が変動したり、新しい政策によって税金が変わったりすることもあります。
身近な商品の値段から経済を理解するのもよい方法です。コンビニのおにぎりが値上がりした理由を調べてみると、原材料費の高騰や人件費の上昇など、経済の仕組みが見えてきます。
5. 疑問点は自分で調べる
金融に関する疑問が生まれたら、まず自分で調べる習慣をつけましょう。信頼できる情報源として、金融庁や消費者庁などの公的機関のウェブサイトがおすすめです。これらは一次情報として最も信頼性が高いといえます。
YouTubeには視覚的に学べる金融教育チャンネルもあります。ただし、YouTubeやSNSの情報は玉石混交です。発信者の経歴や根拠となるデータが示されているか、必ず確認するようにしましょう。
自分で調べる習慣を身につければ、徐々に金融リテラシーが高まっていきます。わからないことをそのままにせず、ひとつずつ解決していくことで、お金に関する知識と判断力が着実に向上していくでしょう。
知識と経験の両方を積むことが大切
金融リテラシーを高めるには、知識を学ぶだけでなく、実際に経験を積むことが重要です。本で読んだ知識と実体験では、身につく深さがまったく違います。
知識が必要な理由
大切な資産を守るために、知識は欠かせません。たとえば、株式投資の平均的な期待リターンは、一般的に5~7%程度(世界株式に分散投資した場合)。このような基本的な知識があれば、「元本保証で利回り10%!」「誰でも簡単に儲かる!」のような怪しい投資話や詐欺から身を守ることもできます。
また、税金や社会保険の知識があれば、確定申告で還付金を受け取ったり、将来もらえる年金額を増やしたりすることも可能です。知識は、お金を守りつつ、将来のために増やすための武器になるのです。
経験が必要な理由
どんなに知識を詰め込んでも、実際に経験しないとわからないことがたくさんあります。投資の教科書には「長期投資が大切」と書いてありますが、実際に株価が20%下落したときの心理的なプレッシャーは、経験してみないとわかりません。知識を得たうえで経験をすることで、「そういうことだったのか!」と腹落ちすることもあるでしょう(勉強と似ているかもしれませんね)。
小さな失敗を重ねることも、成長には欠かせません。少額投資で損をしたり、家計簿をつけ忘れたりする経験を通じて、自分に合った方法を見つけることができます。
大学生のうちに小さな経験を積んでおけば、社会人になってから大きな判断をする際に役立ちます。失敗を恐れず、まずは一歩踏み出してみることが大切です。
まとめ
金融リテラシーは、知識と経験の両方を積み重ねることで身についていきます。まずは自分の収支を把握し、リスク許容度を理解することから始めましょう。100円からの少額投資やポイント投資で実践経験を積み、経済ニュースを自分事として捉える習慣をつけることが大切です。
わからないことは信頼できる情報源で調べ、ひとつずつ解決していきましょう。大学生のうちに小さな経験を積んでおけば、社会人になってからのお金の判断にきっと役立つはずです。




