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2025.12.12

【投資の神様に学ぶ】初心者も経験者も知っておきたい投資の格言を紹介

投資と聞くと「難しそう」「お金持ちがやるもの」というイメージを持つかもしれません。しかし、大学生のうちから投資の考え方を学んでおくことは、お金との付き合い方を考えるうえで大きな意味を持ちます。

今回紹介するのは、「投資の神様」として世界中から尊敬を集めるウォーレン・バフェット氏の格言です。バフェット氏は1930年アメリカ生まれの投資家で、自身が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイを通じて、数十年にわたり驚異的な投資成績を残してきました。

本記事では、バフェット氏の名言を通じて投資の本質的な考え方を紐解きます。

名言①「ルールその1:絶対に損をするな。ルールその2:ルール1を絶対に忘れるな」

この格言は、バフェット氏の投資哲学の根幹を表す言葉として広く知られています。一見すると「損をしないなんて当たり前では?」と感じるかもしれません。

しかし、この言葉が本当に伝えたいのは、リスク管理の重要性です。

たとえば100万円の資産が50%減少して50万円になったとします。この50万円を元の100万円に戻すには、50%の利益では足りません。なぜなら、50万円の50%は25万円だからです。実際には100%、つまり2倍にしなければ元に戻らないのです。

このように、損失が大きくなるほど回復は困難になっていきます。投資においては利益を出すことだけでなく、資産を守ることも大切なのです。

名言②「他人が貪欲になっているときは恐れ、他人が恐れているときは貪欲であれ」

この格言は、バフェット氏の逆張り思考を端的に表した言葉です。逆張りとは、多くの人と反対の行動を取る投資手法を指します。

歴史を振り返ると、多くの投資家が同じ方向に動くとき、市場は本来の適正価格から乖離することがあります。2000年代初頭のITバブルでは、実態以上に株価が上がり続け、多くの人が「この上昇は永遠に続く」と信じて買い続けました。しかしバブルは崩壊し、高値で買った投資家は大きな損失を被りました。

一方、2008年のリーマンショック時には世界中の株価が暴落し、多くの人が恐怖から株を手放しました。しかしこのとき冷静に優良企業の株を買った投資家は、その後の回復局面で大きなリターンを得ています。バフェット氏自身もこの時期に積極的に投資を行い、成果を上げました。

名言③「リスクとは、自分が何をやっているか理解していないことから生じる」

この格言は、真のリスクは投資対象を十分に理解せずに手を出すことから生まれるという原則を示しています。つまり、理解できないものに投資しないという姿勢こそが、効果的なリスク管理なのです。

バフェット氏は「能力の輪」という考え方を大切にしています。これは、自分が理解できる範囲、つまり知識や経験に基づいて判断できる領域のことを指す概念です。

たとえば、バフェット氏は長年テクノロジー企業への投資を避けてきました(2010年代以降はAppleなど一部テック企業にも投資)。それは技術の将来性を否定していたからではなく、自分が深く理解できない分野だったからです。

投資を始める前に、その企業がどんなビジネスをしているのか、どうやって利益を生み出しているのか、競合他社と比べてどんな強みがあるのかを調べましょう。

大学生のみなさんは、まず身近な企業から学んでみてはいかがでしょうか。普段利用している店舗や商品のメーカーなど、自分の生活に関わる企業なら理解しやすいはずです。その企業がなぜ人気なのか、どんな戦略で成長しているのかを観察することから始めてみましょう。

名言④「価格とは、あなたが払うもの。価値とは、あなたが得るもの」

価格と価値は同じように見えて、実は全く異なるものです。価格は市場で取引される金額、つまり「いくらで買えるか」を表します。一方、価値はその投資対象が本来持っている価値、つまり「実際にどれだけの価値があるか」を意味するのです。

安いから買うのではなく、価値があるから買うという考え方が投資の基本といえます。たとえば1,000円で売られている株があったとして、その企業の本質的価値が500円なら高すぎる買い物です。

逆に、5,000円の株でも本質的価値が10,000円あるなら割安な投資先といえるでしょう。目先の価格の安さに惑わされず、その裏にある本当の価値を見極めなければ、投資で利益を得るのは困難です。

この考え方は、普段の生活でも応用できます。「安いから買う」のではなく、「必要だから買う」「価値を感じるから買う」という軸で考えれば、無駄遣いを防ぎ健全な家計運営ができます。

大学生が今日から実践できること

ここまでバフェット氏の格言を通じて、投資の本質的な考え方を学んできました。しかし、大切なのは学んだことを実際の行動に移していくことです。

1. 自発的な学習や経済ニュースをチェックする習慣をつける

投資を始める前に、まずは基礎知識を身につけることが重要です。投資関連の入門書を1冊読んでみることから始めてみましょう。

書籍は情報が体系的にまとまっており、SNSの断片的な情報と比べて信頼性が高いというメリットがあります。初心者向けの本なら、専門用語も丁寧に解説されているため理解しやすいはずです。

また、経済ニュースをチェックする習慣をつけることもおすすめします。最初は内容が難しく感じるかもしれませんが、毎日少しずつ読んでいくうちに、経済の動きや企業の戦略が見えてくるでしょう。

2. 少額から投資を始める

実際に投資を始める際は、少額からスタートするのが無難です。いきなり大金を投資に回すのではなく、失っても生活に影響しない範囲で経験を積んでいきましょう。

現在は多くの証券会社で、100円や1,000円から投資できるサービスが提供されています。少額からでも、投資を始める意義は十分にあります。

金額の大小よりも、実際に市場に参加して値動きを体験すること自体に学びがあるためです。自分のお金が増えたり減ったりする経験を通じて、投資の本質やリスク管理の重要性が実感として理解できるでしょう。

3. 長期視点を持つ

投資で大切な心構えの一つが、長期的な視点を持つことです。株価は日々上下しますが、短期的な値動きに一喜一憂していては精神的に疲れてしまいます。

投資は将来のリターンが保証されているわけではなく、運用期間の途中で元本割れが発生するリスクは常にあります。目先の変動は気にせず、数十年後の資産形成を見据えた投資を心がけましょう。

長期投資の利点は、複利の効果を最大限に活かせる点にあります。複利とは、投資で得た利益を再投資することで、利益が利益を生む仕組みのことです。時間をかけるほどこの効果は大きくなるため、若いうちから始めることに大きな意味があります。

大学生の皆さんには、時間という武器があります。この強みを活かして、焦らずじっくりと資産形成に取り組んでいきましょう。

まとめ

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏の格言を通じて、投資の本質的な考え方を紹介しました。これらの格言は単なる投資テクニックではなく、お金との向き合い方や人生における意思決定の原則を示すものです。

大学生の皆さんは、まず学ぶことから始めてみてください。投資や経済関連の本を読み、ニュースに触れる習慣をつけることで、お金に関する基礎知識が身についていきます。

実際に投資をする中で、バフェット氏の格言が腑に落ちることもあるはずです。無理のない範囲で投資をスタートし、投資のメリットや難しさを感じることは有意義です。

柴田 充輝
執筆者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。