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2025.11.16

大学生は株式投資と自己投資のどっちを優先すべき?

2024年にNISA制度が拡充された影響もあり、周りの友人が投資を始めたという話を聞く機会が増えたかもしれません。一方で、就職活動や将来のキャリアを充実させるために、自己投資をしている大学生も少なくありません。

結論、両方の投資は人生を充実させるうえで効果的です。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自身の状況や描いているキャリアなどに応じて、バランスよく投資することが大切です。

この記事では、株式投資と自己投資それぞれのメリット・デメリット、大学生が優先すべき投資について解説します。限られた大学生活を最大限に活用し、10年後、20年後に「あのとき投資しておいてよかった」と思える選択をするために、ぜひ最後まで読んでみてください。

株式投資と自己投資の違い

大学生のあなたが将来のために今できることは、大きく分けて2つあります。それが「株式投資」と「自己投資」です。それぞれの違いをまとめると、以下のとおりです。

比較項目株式投資自己投資
投資の目的金融資産を増やす人的資本(自分の市場価値)を高める
最低投資額数百円程度数千円程度(学ぶ内容による)
期待リターン年平均4〜6%程度自分の努力・工夫次第
リスク元本割れの可能性あり(個人投資家の約6割が損失経験)時間と費用の損失リスク(スキルが陳腐化する可能性)
効果が出るまでの期間短期〜長期(複利効果は長期で発揮)中長期(資格取得やスキル習得に時間が必要)
主なメリット・少額から始められる・複利効果が期待できる・金融リテラシーが身につく・株主優待が受けられる場合も・一度身につけたスキルは失われない・就職活動で差別化できる・生涯賃金の大幅アップが期待できる・学習習慣が身につく
主なデメリット・元本割れリスク・投資詐欺の危険性・感情的な判断で損失の可能性・学業への支障の恐れ・効果が出るまで時間がかかる・初期費用が高額な場合も・選んだスキルが陳腐化するリスク・継続的な努力が必要

株式投資は、企業の株を購入して配当や値上がり益を狙う投資方法です。一方で、自己投資は資格取得やスキル習得など、自分自身の能力を高めるための投資を指します。どちらも将来の資産形成につながる重要な選択肢ですが、その性質は大きく異なります。

株式投資は金融資産を増やすことが目的で、自己投資は人的資本(自分の市場価値)を高めることが目的です。これから社会に出る大学生にとって、限られた時間とお金をどちらに配分するかは、将来を左右する重要な決断といえるでしょう。

株式投資のメリット

株式投資のメリットは、少額から始められることです。最近では1株単位で投資できるサービスも登場し、大学生でも気軽にスタートできるようになりました。

また、長期投資をすることで複利効果を得られる点も魅力です。株式投資で期待できるリターンは、やや大雑把なイメージですが年平均で4〜6%程度です。また、企業によっては株主優待制度を実施しており、自社製品や金券などを受け取ることも可能です。

投資を通じて経済や企業の仕組みを学べることも、就職活動を控える大学生にとって大きなメリットでしょう。実際にお金を投じることで、ニュースや経済指標に対する関心が自然と高まり、社会人として必要な金融リテラシーが身につきます。

株式投資のデメリット

株式投資には元本割れのリスクがつきものです。つまり、必ず利益が出るとは限りません。

特に短期的な値動きに一喜一憂してしまうと、感情的な判断で大きな損失を出してしまう可能性があります。知識や経験が不足している状態で始めると、市場の変動に翻弄されやすく、学業や就職活動に支障をきたす恐れもあるでしょう。

大学生を狙った投資詐欺も増加傾向にあるため、注意が必要です。基本的な知識を習得しないと、資産を増やすどころか失ってしまう可能性がある点に注意が必要です。

自己投資のメリット

自己投資のメリットは、一度身につけたスキルや知識は決して失われないことです。株価が暴落しても、あなたが習得したプログラミングスキルや英語力、資格は消えることがありません。これらは生涯にわたって価値を生み出す「減価しない資産」となります。

労働市場においては、専門的なスキルを持つ人材は高い収入を得られます。つまり、自己投資を通じて「市場価値の高い人材」になれれば、報酬という形で株式投資以上のリターンを得ることが可能です。

たとえば、英語力が高い方や優れたプログラミングスキルやデータ分析能力を有する方は、人材市場における価値が高い存在です。人材市場においても需要と供給のバランスで価格(収入)が決まるため、優れた人材は高い収入を得やすいのです。

自己投資のデメリット

自己投資は、効果が表れるまでには時間がかかるデメリットがあります。また、そもそも自己投資が報われない可能性もあります。

たとえば、プログラミングスクールに通っても、すぐに高収入の仕事に就けるわけではありません。資格を取得しても、実務経験がなければ評価されないケースもあり得ます。

また、選んだ分野や資格が将来的に価値を持つかどうかは不確実です。技術の進歩により、今需要のあるスキルが5年後には陳腐化している可能性もあるでしょう。継続的な学習と努力が必要になることも、忙しい大学生にとっては大きな負担となります。

【結論】両方をバランスよく行うことが大切

結論として、株式投資と自己投資はどちらか一方を選ぶものではなく、バランスよく両立させることが理想的です。

大学生の皆さんには、人的資本(自分自身で稼ぐ力)という大きな強みがあります。一般的に、年齢が若い人は働ける期間が長いため、人的資本は大きくなります。だからこそ、株式などの金融投資だけでなく、自分自身への「自己投資」にも意識を向けてみてください。

株式投資で100万円を運用しても、年間のリターンは5万円程度が現実的でしょう。しかし、高度なスキルを身につければ、生涯にわたる収入を増やせる可能性があります。長い目で見ると、結果的に株式投資以上のリターンを得ることも可能です。

「複利効果」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。株式投資では有名な概念ですが、実は自己投資でも同じことが起きます。習得したスキルが次のスキル習得を加速させ、雪だるま式に成長していきます。早く始めれば始めるほど、この効果は大きくなるのです。

なお、どちらの投資も「学習の機会」として捉えることが大切です。失敗を恐れずに小さく始め、経験を積みながら徐々に投資額を増やしていくことで、着実に成長できるでしょう。

まとめ

最近は若い世代の投資への関心が高まり、大学生のうちから株式投資を始める人も増えています。しかし、目先の利益だけを追求するのではなく、自分自身の成長にも投資することを忘れてはいけません。

株式投資で得られるリターンは年間4〜6%程度が現実的ですが、自己投資によるスキルアップは、将来の年収を数百万円単位で変える可能性があります。両方をバランスよく実践することで、経済的にも人間的にも豊かな人生を築くことができるでしょう。

大学生という貴重な時間を最大限に活用し、10年~20年後の自分のために、今できる最良の投資を始めてみてください。

柴田 充輝
執筆者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。