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2026.2.20

ライフプランを実現するための資金計画とは?

「お金のことは社会人になってから考えればいい」と思っていませんか。しかし、将来の夢を実現するには、早い段階で資金計画を立てておくことが重要です。

マイホームの購入や豊かな老後生活はもちろん、海外旅行のような楽しみを実現するためには、お金の裏付けがあって初めて実現できます。

この記事では、大学生でも実践できる資金計画の立て方を5つの手順で解説します。

資金計画が必要な理由

ライフプランを実現するには、資金計画の立案が不可欠です。なぜ資金計画が重要なのか、その理由を見ていきましょう。

夢を「絵に描いた餅」にしないため

将来の夢や目標を思い描くだけでは、それは「絵に描いた餅」で終わってしまいます。どんなに素晴らしいライフプランを立てても、お金の裏付けがなければ実現は困難でしょう。

たとえば、卒業旅行で海外に行きたいと思っても、必要な資金を用意できなければ計画倒れになります。夢や目標を実現するためにも、資金計画を立てることは大切なプロセスの一つです。

計画があれば行動に移しやすいため

資金計画を立てれば、漠然とした不安が具体的な行動に変わります。毎月いくら貯めればよいのかが明確になるため、無理のないペースで準備を進められるのです。

たとえば、3年後に100万円必要なら、月々約2万8千円の貯蓄が必要と計算できます。この数字が見えれば、「アルバイトを増やすか」「支出を見直すか」といった現実的な選択ができるようになります。

資金計画の前に現状を把握するべきこと

資金計画を立てる前に、まず自分の現状を正確に知る必要があります。計画の土台となる「収入・支出・資産」という3つの要素を整理しましょう。

収入を正確に知る

資金計画の出発点は、自分の収入を正確に把握することです。将来の計画を立てるには、実際に使えるお金がいくらあるのかを知らなければなりません。

なお、「手取り収入」と「額面収入」は違います。額面収入とは給与の総額で、そこから税金や社会保険料が引かれた残りが手取り収入です。たとえば初任給の額面は25万円でも、手取りは約20万~22万円程度になります。

就職後の収入を見積もる際は、希望する業界の初任給や採用サイトに掲載されている条件から、手取り額をイメージしてみてください。

支出を「見える化」する

支出は固定費と変動費に分類すると管理しやすくなります。固定費は家賃や通信費など毎月決まった金額、変動費は食費や交際費など月によって変わる支出です。まずは1ヶ月間、すべての支出を記録してみましょう。

家計簿アプリを活用すれば、口座情報やクレジットカード情報を紐づけたり、レシートを撮影したりするだけで自動的に支出を分類してくれます。手間をかけずに家計管理ができるため、便利なツールは有効活用しましょう。

現在の資産を棚卸しする

将来の計画を立てる前に、今ある資産を整理しておきましょう。スタート地点が分からなければ、ゴールまでの距離も測れません。

預貯金だけでなく、投資信託や株式などの金融資産、さらに奨学金などの負債も含めてリストアップします。そして資産から負債を引いた「純資産」を計算してください。たとえば預金120万円、奨学金100万円なら、純資産はプラス20万円です。

資金計画を立てる5つの手順

現状把握ができたら、いよいよ具体的な資金計画を立てていきます。ここでは5つのステップに分けて、実践的な方法を解説します。

手順①必要資金を算出する

最初のステップは、将来必要になるお金がいくらかを具体的に調べることです。漠然と「お金が必要」ではなく、数字で把握しましょう。

まずはライフイベントごとの費用を調べてみてください。結婚式なら300万~350万円程度、マイホームの購入では総額で数千万円が必要です。

特に重要なのが「教育・住宅・老後」の3大資金です。具体的に必要となる金額には個人差がありますが、将来を見据えて目標額をイメージしておきましょう。

手順②目標時期を設定する

必要な金額が分かったら、次は「いつまでに用意するか」を決めます。期限が明確になれば、逆算して月々の貯蓄額を計算できるためです。

目標は短期・中期・長期の3つに分類すると管理しやすくなります。短期目標は1年以内、中期目標は1〜5年、長期目標は5年以上が目安です。

優先順位をつけることも忘れないでください。すべての目標を同時に達成するのは難しいため、「これだけは必ず実現したい」というものから取り組みましょう。

手順③毎月の積立額を逆算する

目標額と期限が決まれば、毎月いくら貯めればよいかが計算できます。

たとえば5年後に120万円必要なら、単純計算で月2万円の積立となります。しかし銀行預金だけでなく、NISAでの運用も検討すれば、運用によるプラスを考慮できるでしょう。年利3%で運用できれば、月々の積立額は約1万8千円で済む計算です。

ただし運用にはリスクが伴う点を忘れてはいけません。生活費や近い将来に必要な資金は預貯金、運用に回すのは余裕資金と使い分けましょう。

手順④収支バランスを調整する

積立額が決まったら、それが現実的に可能かどうかを確認します。「収入−支出−貯蓄」のバランスがとれているか、冷静にチェックしましょう。

無理な貯金額を設定すると、普段の生活が息苦しくなってしまい、満足度が下がってしまいます。この場合は、目標時期を延ばしたり目標額を見直したり、柔軟な見直しが必要です。

日々の生活を充実させつつ目標を達成するためには、多少時間がかかっても、確実に実行できる計画に修正することが重要です。無理をした結果計画倒れになるよりも、着実に進めるほうがゴールに近づけるでしょう。

手順⑤実行と定期見直し

計画ができたら、まず行動に移すことが何より大切です。完璧を目指して先延ばしにするより、「まずは取り組む。取り組みながら軌道修正する」くらいの温度感で構いません。

そして年に1回は計画を見直しましょう。収入が増えたり予想外の出費があったり、状況は常に変化します。就職や転職、結婚といったライフイベントが起きたときは、計画を見直す必要が出てくるかもしれません。

また、家計簿アプリと連携させれば、目標に対する進捗状況が自動で確認できます。「今月は目標額を達成できた」と分かれば、モチベーションも上がるでしょう。

まとめ

資金計画は「現状把握→目標設定→逆算」という流れが基本です。まず自分の収入・支出・資産を正確に把握し、次に必要な金額と時期を設定します。そこから毎月の積立額を逆算すれば、具体的な行動が見えてきます。

ツールを活用して、家計状況や資産状況を可視化することも重要なポイントです。家計簿アプリや積立シミュレーターを使えば、数字が目に見える形になります。視覚化されることで、計画への理解が深まり、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

大学生の今から少額でも貯蓄習慣を身につければ、社会人になってからスムーズに資金計画を実践できます。将来の夢を実現するために、今日から一歩を踏み出してみましょう。

柴田 充輝
執筆者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。