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2026.3.6

ローンの基礎知識②

ローンは、使い方次第で生活を支える便利なツールにも、将来を圧迫する重荷にもなります。大切なのは、仕組みを正しく理解したうえで、計画的に利用することです。

この記事では、ローン利用時の注意点や、借りる前に考えるべきポイントを解説します。適切な知識を身につけて、賢くローンと付き合っていきましょう。

ローン利用時の注意点

ローンを利用する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。特に、借りた金額と実際に返す金額の差、毎月の返済が生活に与える影響、そして複数のローンを抱えるリスクについて理解しておきましょう。

ここでは、ローンを安全に活用するために知っておくべき3つの注意点を解説します。

総返済額を必ず確認する

ローンを借りる前に、必ずチェックすべきなのが「総返済額」です。これは、借りたお金に利息を加えた、最終的に返済する金額のことを指します。

たとえば、10万円を年利15%で借りて1年間で返済する場合、返済総額は約10万8,000円になります。借りた金額は10万円でも、実際には8,000円を利息として、追加で返すことになるのです。借入期間が長くなるほど、この差は大きくなります。

多くの人は「月々の返済額」だけを見て借りてしまいがちです。しかし、総返済額を確認しないと、想像以上に多くのお金を支払っている可能性があります。

借りる前には、必ず金融機関のウェブサイトにある返済シミュレーションを使いましょう。借入額や金利、返済期間などを入力するだけで、総返済額がわかります。「思ったより高い」と感じたら、借入額を減らすか、返済期間を短くすることを検討してください。

返済計画を立ててから借りる

ローンを借りる前に、具体的な返済計画を立てることが重要です。毎月の返済額が、あなたの収入や生活費とバランスが取れているかを確認しましょう。

返済が長引くほど総返済額が増えるため、無計画な借入は避けましょう。なお、返済計画を立てる際は、以下の点を踏まえて家計状況を把握してください。

  • 固定費:家賃、光熱費、通信費など毎月必ず支払う費用
  • 変動費:食費、交際費、趣味にかかる費用
  • 予備費:急な病気や冠婚葬祭などの予備費用

これらを差し引いた金額から、無理なく返済できる額を逆算します。余裕のない返済計画は、すぐに行き詰まってしまいます。

複数借入は危険信号

すでにローンを抱えているのに、さらに別のローンを借りようとしているなら要注意です。これは「多重債務」の入り口かもしれません。

多重債務とは、複数の金融機関から借金をしている状態のことです。一度この状態に陥ると、「借金を返すために、また借金をする」という悪循環に入りやすくなります。毎月の返済日がバラバラになり、管理も難しくなるでしょう。

スマートフォンの分割払いやクレジットカードのリボ払いなど、身近なところで借り入れを行っている可能性があります。それぞれは少額でも、合計すると大きな負担になっているかもしれません。

代表的なローンの種類

「ローン」と聞くと、銀行で大金を借りるイメージを持つかもしれません。しかし実は、大学生の身近にもさまざまなローンが存在しています。

たとえば、奨学金は学費や生活費を支援するための教育ローンです。給付型と貸与型があり、貸与型は卒業後に返済する必要があります。

クレジットカードは、買い物の際に一時的にカード会社がお金を立て替える仕組みです。翌月一括払いなら利息はかかりませんが、リボ払いを選ぶと利息が発生します。

消費者金融は、個人向けに小口の融資を行う金融機関です。審査が比較的早く、即日借入できる場合もあります。ただし、金利は年15〜18%程度と、ローンの中でも高めに設定されています(会社ごとに差があります)。

スマートフォンの分割払いも、ローンの一種です。端末代金を24回や36回に分けて支払う仕組みで、多くの人が利用しています。通信料金と一緒に引き落とされるため、ローンという意識が薄くなりがちです。

これらはすべて「お金を借りて、後で返す」という点で共通しています。それぞれに適した使い方があるため、特徴を理解したうえで判断しましょう。

お金を借りる前に考えるべきこと

ローンは、計画的に使えば生活を支える便利なツールになります。しかし、勢いで借りてしまうと、後悔する結果になりかねません。

借りる前に立ち止まって考えるべきポイントがあります。それは「本当に必要な支出なのか」「他に方法はないのか」「確実に返せるのか」という3つの問いです。これらを自分に問いかけることで、より賢明な判断ができるようになります。

本当に今必要な支出か

ローンを借りる前に、まず自問すべきなのが「これは今、本当に必要なものか」という点です。欲しいものと必要なものは、似ているようで大きく異なります。

必要なものとは、生活や学業に欠かせないものを指します。たとえば、就職活動で使うスーツや、壊れたパソコンの買い替えなどです。一方、欲しいものは、なくても生活できるが手に入れたいと思うものです。新しいゲーム機や、流行のファッションアイテムなどが該当します。

ローンを利用する前には、「本当に利息を払ってまで手に入れる価値があるのか」を、冷静に考えてみましょう。

借りずに済む方法はないか

ローンを利用する前に、他の選択肢がないか探してみましょう。

まず検討したいのが、家族や親族への相談です。関係が良好なら利息がかからない場合が多く、返済条件も柔軟に決められます。ただし、お金の貸し借りは関係を悪化させるリスクもあるため、返済計画をしっかり伝えたうえで約束を守ることが重要です。

また、アルバイトを増やす・不要なものを売る・固定費を見直すなど、自分でお金を工面する方法も考えられます。短期的な努力で必要な金額が用意できるなら、借入を避けられます。

確実に返済できるか

ローンを借りる際、特に重要なのが「確実に返済できるか」という判断です。返済できる見込みがないまま借りると、長期にわたって返済を継続する可能性があります。

返済の可能性を判断するには、事前にシミュレーションを行いましょう。金融機関のウェブサイトには、借入額と金利、返済期間を入力すると月々の返済額が計算できるツールがあります。

返済シミュレーションで確認すべきポイントは、返済期間中も収入が安定して得られる見込みはあるか、生活費や緊急時の予備費を確保したうえで返済できるかという点です。

ここで知っておくべきなのが「信用情報」です。これは、ローンやクレジットカードの利用履歴が記録されているデータのことで、金融機関が審査の際に参照します。

返済の遅延や未払いがあると、将来、住宅ローンやカーローンの審査に影響する可能性があります。無理な借入で返済が滞ると、お金に関する信用を失ってしまい、必要な時に金融サービスを利用できない可能性があり得るのです。

まとめ

ローンは、計画的に使えば生活や学業をサポートする有効な手段です。しかし、仕組みを理解せずに利用するのは避けましょう。

大切なのは、借りる前に立ち止まって考えることです。総返済額を確認し、返済計画を立て、本当に今必要な支出かを見極めましょう。借りずに済む方法がないか探すことも重要です。

奨学金やクレジットカード、スマホの分割払いなど、身近なローンは意外と多く存在します。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の収入や生活に合った使い方を心がけてください。

柴田 充輝
執筆者
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。