こんにちは。
この記事では、大学生のあなたに「なぜ“今”金融を学ぶべきなのか?」という問いを、じっくり丁寧に解き明かしていきます。
将来のために貯金した方がいい、投資も必要かもしれない、でも何から始めればいいかわからない。そんな不安やモヤモヤを抱えている方にこそ読んでほしい内容です。
社会人になる前に「お金の知識」が必要な理由
社会に出ると、すぐに“お金の現実”と向き合うことになります。例えば、一人暮らしを始めると、以下のような支出を毎月支払わなければなりません。
- 家賃
- 光熱費
- 食費
- 娯楽費
- 税金
- 社会保険料など
税金や社会保険料は給料から天引きされますが、その他の支出は、自分自身の責任でやりくりしなければなりません。
他にも、クレジットカードの支払いや奨学金の返済なども考える必要があります。このように、20代前半から、お金に関して多くの判断が求められるのです。
このとき、「お金の知識=金融リテラシー」がある人とない人とでは、選ぶ行動の質がまったく異なります。金融リテラシーがない人は、一生に渡って、お金で困ってしまうかもしれません。
金融リテラシーとは何か? それがなぜ「教養」なのか
金融リテラシーとは、「お金に関する正しい知識と、それを生活の中で使いこなす力」のことです。家計管理の方法や自分にとって幸福度の高いお金の使い方、投資の知識などさまざまな要素を含めて、「金融リテラシー」と呼びます。
具体的には、以下の行動や判断ができる人は、金融リテラシーが高いといえるでしょう。
- 自分の月々の収支をきちんと管理できること
- 借金に頼らず黒字の家計を維持できること
- 自分にとって幸福度の高いお金の使い方を知ること
- 保険に入るときに内容を理解して選べること
- 将来必要になるお金の見通しを付けられること
- 老後の生活に必要なお金を逆算して計画を立てられること
こうした力こそが、社会で生きていくうえで不可欠な“お金の教養”です。
数学や英語のように試験で点を取る知識ではなく、人生の選択をミスしないための知恵として身につけておくもの。それが金融リテラシーです。
例えば、ボーナスをそのまま使い切ってしまう人と、将来に備えて積立投資に回せる人。どちらが5年後、10年後によりよい生活をしているでしょうか?金融リテラシーが高い人は、今現在の生活を充実させつつ、将来のことも真剣に考えているのです。
金融リテラシーの有無は「年収の違い」ではなく、「知識の有無」「自分の人生を真剣に考える力」によって分かれるものです。情報を知らないまま社会に出ると、知らないことが原因で損をしてしまったり、大きな借金を背負ったりすることもあります。
つまり、金融の知識は、人生の自由度を左右する「人生の選択肢を広げる基礎体力」なのです。
学校では教えてくれない。しかし知っておくと将来の自分を助けてくれる
日本では、金融教育があまり行われていないという課題があります。高校では2022年から「資産形成」がカリキュラムに入りましたが、それでも全体的には不足しています。
その一方で、社会人になると急に「自己責任」での判断が求められます。クレジットカードの支払いやローンの契約、保険の加入などを、すべて自分で考えなければなりません。
もし借金を背負ったりトラブルに巻き込まれたりしても、「誰も教えてくれなかったから…」では通用しません。このように、、知識がないまま契約を結んだりお金を使ったりすることが、人生における大きなリスクとなります。 将来の自分を助けるためにも、早い段階からお金に関する知識を習得することは有意義です。ぜひ、お金に関する知識を少しずつ習得して、お金に困らない人生を送りましょう。
大学生の“今”だからこそ意味がある!社会人になる前に学ぶメリット
「お金の勉強なんて、社会人になってからでいいでしょ」と思う人もいるかもしれません。
でも、よく考えてみてください。社会人になると、仕事で忙しくなり、時間もエネルギーも限られます。休日は休むだけで精一杯、なんてことも珍しくありません。
さらに、もし誤ったお金の使い方をしてしまえば、それは“リアルな損失”として返ってきます。失敗した経験を取り戻すには、時間もお金も必要です。また、実際にお金の知識が無いことで詐欺に遭ってしまい、莫大な借金を抱えてしまったケースもあります。
まだ大きなお金を動かす前の大学生のうちに、知識を身につけておくことには大きな意味があります。いわば“練習期間”である大学生活で、正しい知識と判断基準を持てるようになることが、将来の大きな差を生みます。
たとえば、アルバイトで稼いだお金の一部は、少額でもよいので将来のために貯金する意識を持ってみましょう。クレジットカードをこれから作る方は、「どのような仕組みなのか」「それぞれの支払方法は、どのような特徴があるのか」など、自分で調べてみるのがおすすめです。
今のあなたはどれくらい知ってる? 金融リテラシー簡易チェック
次の5つの質問に、あなたは自信を持って答えられますか?
- クレジットカードの支払い方式にはどんな種類がある?
- NISAとiDeCoの違いを説明できる?
- 複利とは何か、簡単に説明できる?
- 銀行に100万円を10年間預けると、どのくらい増える?
- 投資信託って何をしている商品か知っている?
3問以上答えられたあなたは、すでに“基礎を押さえている大学生”です。
もしピンとこない質問が多くても、まったく問題ありません。このメディアでの学びを通して、着実に知識を習得しながら、1つずつ自信に変えていきましょう。
大学生が学んでおくべき金融の4本柱
では、具体的に大学生のうちにどんなテーマを学ぶべきなのか。4つの柱にまとめて紹介します。
1. 家計と予算のコントロール
自分の収入と支出を管理できる力は、あらゆる金融スキルの土台です。「入ってきた以上に使わない」ことは、家計管理の基本と考えてください。
アルバイト収入であっても、生活費を予算立てし、必要な支出と無駄遣いを見極めることで、お金の使い方に「主体性」が生まれます。
2. 投資と貯金の違いを知る
「貯金=安全」「投資=危険」というイメージは誤解です。最近はさまざまな商品やサービスの価格が上昇(インフレ)していますが、このような局面においては、貯金だけでは資産を失ってしまいます。インフレによってお金の価値が下がる時代において、資産を守るためには投資が「ほぼ」欠かせません。
3. 複利の仕組み
このメディアを通じて、投資に関する情報もお伝えします。投資をするときに、必ず押さえておくべきことが「複利」です。時間をかけるほど増える複利の力を理解することで、投資をする重要性に気付けます。
4. 金融商品の基礎知識
株式・投資信託・債券・保険・不動産──これらが何を意味し、どんな役割を果たすのか。また、どのようなリスクがあるのか。
これらの基本情報を知ることで「自分には関係ない」と思っていた世界が、自分ごととして考えられるようになります。
【図解】同じ1万円を「今」投資する vs「10年後」に投資する
仮に、月1万円を利回り3%で投資したとします。
- 20歳から積み立て:30年後 → 約580万円
- 30歳から積み立て:20年後 → 約390万円
- 40歳から積み立て:10年後 → 約140万円
この差、実は「投資した金額」よりも「投資していた時間」の差なんです。つまり、若いタイミングが、将来の資産に大きな影響を与えられるということ。
運用期間が長いほど、複利効果を享受しやすくなります。将来の自分を大切にするためにも、早い段階から投資を始めることは大切です。
まとめ:お金の失敗を防ぐために、金融リテラシーは欠かせない
金融に関する知識は一度学べば、一生使える知識になります。大切な資産を守り、今現在の生活を充実させ、豊かな将来を送るために欠かせません。
お金に関する知識や判断力は、あなたの人生における「選択の質」を高め、安心感と自由をもたらしてくれる武器になるのです。少しずつ着実に、お金に関する正しい知識を習得していきましょう!
次回予告
次回の記事では、
「貯金と投資の違い ~『増やす』ってどういうこと?」
をテーマに、投資に対する誤解や不安を取り除きながら、増やすための考え方の基本をお伝えします。