~時間が最大の武器になる理由~
こんにちは!
今回は、お金を“育てる力”としてとても大切な2つのキーワード、「インフレ」と「複利」についてお話しします。
この2つを理解するだけで、「なぜ若いうちにお金の勉強を始めるべきか」が一気に明確になります。
インフレとは何か? 物価の上昇とお金の価値の関係
インフレ(インフレーション)とは、物の値段が上がることを意味します。最近、いろいろなモノやサービスが値上がりしているので、皆さんも自分事として実感しやすいのではないでしょうか?
たとえば、100円で買えていたおにぎりが、いつの間にか120円になっていたり、1日500円で済んでいたランチが700円に感じるようになる、というような変化です。
ここで重要なのは、「モノの価値が上がった」ということだけでなく、お金の価値が下がったという見方です。
つまり、同じ1,000円でも、10年前より今の方が「買える量」が減っている。お金が持つ実質的な価値(購買力といいます)が減っており、対策をしないと生活がどんどん苦しくなってしまうのが、インフレのこわいところです。
インフレの影響を受けないお金の使い方とは?
では、インフレが進む時代に、どうすればお金の価値を守れるのでしょうか?
答えは、お金を“使わずに眠らせておく”のではなく、“働かせる”ことです。具体的には、リスクを取って資産運用を始める必要があります。
インフレによって物価が上がるということは、裏を返せば、企業の売上も上がり、株価も成長していく傾向にあります。つまり、投資によって経済の成長にお金を乗せることができれば、インフレが起きても資産を減らさずに済むのです。
たとえば、年間で3%物価が上昇したとしましょう。銀行預金で年利0.3%で預けている場合、お金の実質的な価値は1年間で2.7%下がってしまいます。
しかし、3%以上で運用できれば資産を維持できます。3%以上で運用してはじめて、資産を増やすことができるのです。
このように、「お金を働かせる」ことは、インフレが起こっている現代において非常に大切な考え方です。
そして、その“働かせ方”には2つの代表的な増え方があります。それが、「単利」と「複利」です。
これから投資を考える上で、この2つの違いを理解しておくことはとても重要です。
単利と複利の違いを数字で見てみよう
単利とは、「元本に対してだけ利息がつく」増え方です。
一方、複利とは、「利息にも利息がつく」増え方です。
たとえば、毎月1万円を10年間積み立てた場合で比較してみましょう
- 【単利(利息が増えず、常に元本だけ)】
→ 合計120万円 - 【複利(年利3%)】
→ 約140万円
たった20万円の差?と思うかもしれませんが、これを30年間続けると、差は100万円以上に広がります。
つまり、投資において最も重要な資産は「投資に回すお金」と「運用する時間(期間)」なのです。投資金額が多いほど、また運用する期間が長いほど複利効果が大きくなり、効率よく資産を増やせます。
なぜ大学生の今が“圧倒的に有利”なのか?
この話を聞いて「じゃあ、30歳になったら始めればいいや」と思った方もいるかもしれません。
しかし、「今始めるか」「後回しにするか」で、数十年後に数百万円以上の差になる可能性があります。
例えば、月1万円を年利3%で積み立てる場合…
- 20歳から30年間積み立てる → 約580万円
- 30歳から20年間積み立てる → 約390万円
- 40歳から10年間積み立てる → 約140万円
投資に回す金額を着実に増やしつつ、長期的に運用することにより、最終的な資産額の差が2〜4倍にもなるのです。
時間こそが最大の資産になる時代
「もっとお金ができたら始めよう」
「社会人になってからでも間に合うよね」
そう考えてしまうのは自然なことです。しかし、実は投資を先延ばしにする判断が大きな「機会損失(本来であれば得られるはずだった利益を逃してしまうこと)になっているかもしれません。
投資における時間とは、資産を増やす力であり、リスクを平均化するクッションでもあり、失敗してもリカバリーできる余裕でもあります。
大学生の今の段階から、少額でも短期間でよいので、 「お金を働かせる」という経験を積んでおきましょう。実際に「お金が増えた(減った)」「銀行預金よりも資産が増えた」という経験は、貴重な財産にもなります。
テレビやインターネットのニュースで「インフレ」「物価上昇」などの話題を見聞きしたら、「自分の資産は減っている」と捉えてみてください。自分事として捉えて、無理のない範囲で投資を始めることが、将来の安心感へとつながります。
まとめ:今のあなたの時間が、未来を豊かにする
お金の知識やテクニックよりも先に、今日伝えたいことはこれです。
あなたの「若さ」と「時間」こそが、最強の武器になる。
インフレが続いている中で、 自分事としてお金に対する考え方を持つだけで、未来の景色が変わります。
そして、投資の世界では「複利」を味方につける必要があります。投資の必要性と複利の有効性を知り、実践すれば、数十年後の自分を助ける結果につながるでしょう。
今のうちに「少しだけでも始めてみる」。
それが10年後、20年後のあなたにとって、何より価値のある一歩になるはずです。
次回予告
次回は、「家計管理とライフプラン」をテーマに取り上げます!将来の夢や目標をどう“お金”と結びつけて現実に近づける方法を、やさしく解説していきます!